2015年
11月
20日
今年の4月、設計者の丹呉明恭さん、大工の池上算規さんと一緒に大阪府、兵庫県を旅した。
来年おそらく実現されるであろう、新築の茅葺き民家をつくる構想のためだ。
今回の二つの千年家の写真はそのときのもの。
この日は小野市にある、重源創建の浄土寺も訪れた。
浄土寺は檜普請なので、クリ、マツ、ヒノキの建築を一日で見て回ったことになる。
重源による東大寺の復興は、
建久元年(1190年)に上棟、建久6年(1195年)に大仏殿完成。
東大寺南大門は正治元年(1199年)復興。
浄土寺は建久年間(1190年~1198年)の創建であるから、
浄土寺のヒノキも、山口の徳地のものではないかと推測している。
ご存じの方は教えてください。

小野市浄土寺 板倉の建物

南面した柱の大節

2015年
10月
16日
わが国の木の建築の源流は竪穴住居です。
もう随分前になりますが、建築系の学校を出ていない私は、
そこに用いられた木がクリをはじめとするコナラ系の木々である、
と知ったときには驚きました。
今回、写真で使った竪穴住居は、
岩手県北上市の「みちのく民俗村」にあります。
何もないところに建物だけ復元してあるのとは違い、
クリやマツの林の中の、少し小高いところに再現されていて、
当時の住まいの雰囲気がよく伝わってきました。

2015年
9月
18日
本連載も今回で丸3年となりました。
4年目を迎える次回から、いよいよ適材適所について考えます。
わが国の山々は、気候の変化や人間の営みにより変化をとげ、
先人たちの木の生かし方もそれに伴い変化していきました。
今後、建物などに どんな木をどう使えばよいか。
それとともに、山々に育む木をどうすればよいか、
考えてみたいと思っています。

2015年
8月
21日
ご批判も多い本シリーズ。
しかし、機会を与えられている以上、書かずにはおれず、
木組みに対する気持ちもふくらむ一方です。
好きだから仕方がない。そう思います。

2015年
7月
17日
『住まいのモノサシ』とは何か。
この連載を始めて以来、軸にしてきたのが、
今回記事で書いた「文化のモノサシ」です。
このテーマについて考え、より深めるために、
毎月苦しみながら駄文を綴っています。
司馬遼太郎は、「文化」を不合理と定義しています。
引用していて言うのもなんですが、それは間違いだと思います。
文明とは部分合理的もので、文化とは全体合理的ものである、
と私は考えるからです。
ご一読いただけましたら嬉しいです。

2015年
6月
19日
実務に携わっていない人に「プレカット」につて説明するのは難しい。
プレカットされた材料の、どこが手刻みと違うかを知るには、
まず、手刻みがどのようなものか理解してもらう必要があるからだ。
それで、これまで本テーマを避けてきた。
しかし、わが国の木の建築文化の衰退を語るうえで、この問題は欠かせない。
覚悟を決めた。皆様のご批判を仰ぎたいと思う。

2015年
5月
15日
法隆寺大工の口伝「木組みは、木のくせ組み」。
プロの間では、誰もが知っている言葉だと思います。
しかし、放っておいても、木はくせのあるもの。
くせがないから困る、と実際に言われることは、ほぼありません。
この国の木の建築文化の深さを実感させられた出来事でした。

2015年
5月
15日
日本の伝統木造技術を守ろうという運動が始まりました。
わが国の風景をかたちづくる伝統的な建築や町並みを、
つくり、まもってきたのが伝統木造技術です。
個性ある自然素材の持ち味を、最大限に引き出す知恵と技。
いまも息づいているその技術は、木や土など持続可能な資源を土台にしています。
ところが、いま、その存続が危ぶまれています。
職人の数が、急速に減少しているのです。
これから2年間、この運動に注力しようと考えています。

2015年
4月
11日
本日「天然乾燥処理構造材」の製材JASの認定証が届きました。
天然乾燥処理の認定では第一号!
現時点ではまだうちだけと伺っています。(自慢めいてすみません、笑)
これでようやく、「人工乾燥処理材以外は生材である」という、
実情に沿わない法的な状態からは一歩前進しました。
とはいえ、公共建築物等では使用してもらえない規格。
前途多難であることに変わりありません。
低温で乾燥させた木材は、様々な力を秘めています。
『木挽棟梁のモノサシ~インフルエンザ~木のパワーで撃退』
これから普及していけるよう、努力したいと思います。

2015年
3月
20日
1月6日、「改正省エネ法」に対するパブコメに、私は次のように投稿しました。
**************************************************************************
[新築の際の基準適合義務化]について
①なぜ義務化しなければならないのか。
憲法第13条 幸福追求権を侵害している。
一定の外皮性能を保ってないと認定された家が、公共の福祉に反しているのか。
憲法第19条 精神的自由権を侵害している。
住まいは、思想の表れである。
理論上の数値によって、自分の思想を現実化した住まいを事実上禁止されることは許されない。
生命の危険などを冒す要素でもない外皮性能が、なぜ義務化となるのか。まったく理解できない。
***************************************************************************
以降、改正省エネ法は我が事になりました。
住宅品確法における気密・断熱性能の4ランクのなかの最高基準が、
なぜ「義務化」されるのか。
このままでは、土壁や縁側のある「和のすまい」は絶滅してしまう。
そんな危機意識を持って、今年のモノサシは土壁シリーズにしました。
義務化の背景には、建売り住宅の品質の問題があります。
しかしそれにより、注文住宅の「和のすまい」がつくれなくなるのは、
まさに、「悪貨は良貨を駆逐する」に外ならない、と思います。
ぜひご一読ください。
