2017年 9月 15日

板倉の家「ちいさいおうち」プロジェクト 完成見学会 in 霧島


2016年熊本地震の震災支援から「板倉の家ちいさいおうちプロジェクト」は始まりました。
そして、それを機に集った設計者、職人の手によって、
この夏、鹿児島県霧島市に新たな板倉建築が産声をあげました。
手刻みで、クレーンも使わず、人の手のみで棟上げしました。


床面積約15坪、カネ勾配の平屋の建物は10月から漢方調剤薬局として歩みはじめます。
漢方薬も板倉建築も植物の力を最大限に引き出し活かす点で同じと言えます。
高樹齢の杉が放つ美しさをぜひご覧ください。
8月11日・山の日に上棟、9月23日・秋分の日に完成見学会という、
板倉建築特有のスピード感もご体感いただけましたら幸いです。

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日時 2017年9月23日(土)
    13時~17時
   (24日もご要望あれば個別対応します)
 
場所 鹿児島県霧島市国分中央4丁目
   漢方薬局 どんぐりとネコ
   (詳細は杉岡までご連絡ください)
 
設計 : 田上健一(九州大学大学院芸術工学研究院)
施工 : 堂薗隆博(堂薗建築)
木材 : 杉岡世邦(杉岡製材所)
技術指導 : (一社)日本板倉建築協会
 
お問い合わせ (有)杉岡製材所 杉岡世邦まで
当日は堂薗、杉岡がご案内を担当させていただきます。

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2016年 12月 29日

平成28年、私は何を考えたか。


(朝倉郡東峰村小石原 行者杉)
5年前から一年間の入手書籍をアップしています。
その時々で何を考えていたか、よい記録となります。
今年は108冊と昨年の半分以下。
以前読んだものを読み返す、ということが多かったように思います。
一方、新しく買ったものは積ん読本になっているものが多々あります。
 
今年一番影響を受けた本は『小石原村誌』です。
自分のルーツと思っている「行者杉」の巨木群がなぜ旧小石原村に存在するのか。
それを探っていると、英彦山という霊峰、そして習合という精神文化に辿りつきました。
1月には梅原猛先生の書庫と書斎を訪ねることができたのも強く印象に残ります。
来年はどんな本と出会うのか。楽しみです。
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平成28年 購入(入手)書籍一覧
1月(15)
『愛の空間 (響きわたるシベリア杉 シリーズ3)』ウラジーミル・メグレ
『自律神経を整えて病気を治す! 口の体操「あいうべ」』今井一彰
『NOTES―横内敏人の住宅設計ノート』横内敏人,
『和食とは何か 』熊倉功夫, 江原絢子,和食文化国民会議
『建築をめざして』ル・コルビュジェ,吉阪 隆正
『小さな家―1923』ル・コルビュジェ,森田 一敏
『ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡』越後島研一,
『科学するブッダ 犀の角たち』佐々木 閑
『はじめての植物学―植物たちの生き残り戦略,』大場秀章
『森を読む』大場秀章
『がんと闘った科学者の記録』戸塚洋二,立花隆
『日本のこころの教育』境野 勝悟
『エコハウスのウソ 増補改訂版』前 真之
『鉄砲と日本人―「鉄砲神話」が隠してきたこと』鈴木真哉,
『WA-HOUSE―横内敏人の住宅設計』横内敏人,

2月(7)
『図説 歴史で読み解く京都の地理』正井泰夫
『人のつくった森―明治神宮の森「永遠の杜」造成の記録』
上原敬二,東京農業大学地域環境科学部
『京都時代MAP 幕末・維新編 (Time trip map)』
『地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ』深井有
『子供の「脳」は肌にある』山口 創
『日本の10大庭園』重森千靑
『京の庭』重森千靑

3月(17)
『自分の壁』 養老孟司
『新 13歳のハローワーク』村上龍,はまのゆか
『日本林業を立て直す―速水林業の挑戦』速水 亨
『日本の民家―その美しさと構造 (1962年)』大河 直躬
『九州のかたち 民家 草葺きの家を中心に』
『植物と人間―生物社会のバランス』宮脇 昭
『森林医学』森本兼曩,平野秀樹,宮崎良文
『森林医学〈2〉環境と人間の健康科学』大井玄,平野秀樹,宮崎良文
『人間と気候―生理人類学からのアプローチ,』佐藤方彦
『おはなし生活科学』佐藤方彦
『日本人の事典』佐藤方彦、ほか
『植物学のたのしみ,』大場秀章
『生きる力がわいてくる生活習慣塾』田中真澄
『リーダーの易経「兆し」を察知する力をきたえる』竹村 亞希子
『逝きし世の面影』渡辺京二
『気の人間学』矢山利彦
『超訳 空海の人間学』矢山利彦

4月(1)
『超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント』竹村 亞希子

5月(11)
『青春論』亀井 勝一郎
『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール』
ジョン グレイ
『「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学』天外 伺朗
『メタセコイア―昭和天皇の愛した木』斎藤 清明
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田 温
『絆の環境設計 ―21世紀のヒューマニズムをもとめて』土居義岳ほか
『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』開沼 博
『君に成功を贈る』中村天風
『Autobiography of a Yogi (Japanese) 』Yogananda, Paramahansa
『日本精神の研究』安岡正篤
『愚者の智恵 森の心の語り部たち』今田求仁生

6月(9)
『新版 木の葉のテレパシー―植物の遠隔写真感応現象』三上 晃
『植物の超能力 リーフ・バイオ・センサーの実験と応用』三上 晃
『一色一生』志村 ふくみ, 高橋 巌
『人生が楽になる 超シンプルなさとり方』エックハルト・トール,飯田 史彦
『人生に生かす易経』竹村亞希子
『色彩の本質 (シュタイナー著作集 別巻 6)』ルドルフ・シュタイナー,高橋 巖
『ちいさいおうち』ばーじにあ・りー・ばーとん,いしい ももこ
『ヨーガに生きる 中村天風とカリアッパ師の歩み』おおい みつる
『惜櫟荘だより』佐伯 泰英

7月(6)
『人間を磨く 人間関係が好転する「こころの技法」』田坂 広志
『日本文化の形成 (講談社学術文庫)』宮本 常一
『あとからくる君たちへ伝えたいこと』鍵山 秀三郎
『君たちはどう生きるか (岩波文庫)』吉野 源三郎
『小石原村誌』
『小石原村誌 補遺』

8月(10)
『住空間史論2 農村住居篇』島村昇
『住空間史論 3 都市住居篇』島村昇
『建築の七つの力』鈴木 博之
『拡張する住宅―沖縄にみる自律的居住環境デザイン』田上 健一
『地方維新vs.土着権力 〈47都道府県〉政治地図』八幡和郎
『星野リゾートの教科書』中沢 康彦
『新島襄の手紙 (岩波文庫)』新島 襄
『山岳信仰 – 日本文化の根底を探る (中公新書)』鈴木 正崇
『修験道史研究 (1972年) (東洋文庫〈211〉)』和歌森 太郎
『皇居の植物』生物学御研究所

9月(11)
『天皇陛下の生物学ご研究 -国立科学博物館開館110周年記念特別展-』
『メタセコイア―昭和天皇の愛した木 (中公新書)』斎藤 清明
『昭和天皇御製集』
『昭和天皇の和歌』田所 泉
『日本の地名 (岩波新書)』谷川 健一
『DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか』崎谷 満
『古事記完全講義 入門編』竹田恒泰
『僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書)』中沢 新一
『八幡神と神仏習合 (講談社現代新書)』逵 日出典
『歓喜する円空』梅原 猛
『山伏まんだら―求菩提山(くぼてさん)修験遺跡にみる,』重松 敏美,藤田晴一

10月(8)
『カルロ・スカルパ 
『和の建築図案集 (design book)』建築資料研究社出版部
『ル・コルビュジエ/創作を支えた九つの原型』越後島 研一
『Casa BRUTUS特別編集 建築家ル・コルビュジエの教科書』マガジンハウスムック
『ル・コルビュジエ建築の詩―12の住宅の空間構成』
『海流のなかの島々 (上巻)』ヘミングウェイ,沼沢洽治,
『海流のなかの島々 (下巻)』ヘミングウェイ,沼沢洽治,
『子供をゆがませる「間取り」』横山彰人

11月(5)
『検証 日本人の「住まい」はどこから来たか―韓国・中国・東南アジアの建築見聞録』
吉田 桂二
『放送大学教材/改訂版.生活文化史=日本人の生活と住まい.中国.韓国と比較して』
『日本のすまいの源流―日本基層文化の探究 (1984年)』杉本 尚次
『よい製品とは何か』ジェイムズ・L・アダムズ,石原 薫
『住宅建築 2011年 10月号』

12月(8)
『ゴッホの椅子』久津輪雅
『日本文化の形成〈上〉 (ちくま学芸文庫)』宮本常一
『日本文化の形成〈中〉 (ちくま学芸文庫)』宮本常一
『日本文化の形成〈下〉 (ちくま学芸文庫)』宮本常一
『お言葉ですが…〈7〉漢字語源の筋ちがい』高島 俊男
『本が好き、悪口言うのはもっと好き』高島 俊男
『いま伝えたい生きることの真実』竹田 和平
『コミック版 たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松 易

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2016年 11月 13日

RKBラジオ『こだわりハーフタイム」

カテゴリー: 日々雑感


RKBラジオ『こだわりハーフタイム」の「極め人」に出演させていただきました。
わずか10分の出演。
大野さん、福山さんから矢継ぎ早に飛んでくる質問に、
まったく対応できず、落ち込みました(笑)
脳内がチカチカするような濃厚な状態での3時間もの生放送。
プロの仕事は本当にすごい。驚きました。

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2016年 10月 03日

五十の手習い

カテゴリー: 日々雑感


昨年の11月初旬、九大の伊都キャンパスを訪ねていたとき、一本の電話がかかってきました。
それは西日本新聞の編集者の方からで、コラム連載に一区切りつけましょう、というものでした。
ちょうど3年が過ぎた頃だし、一区切りつけるのもいいな・・
そんな淡々とした気持ちで、今年の3月で卒業することを話したように記憶しています。

あれから11ヶ月ほど経った今日、久しぶりに伊都キャンパスを訪ねました。
なんと、2016年度の後期入学式に出席したのです。
25年ぶりの学生という身分(笑) 
といっても社会人枠のドクターコースで、籍をおくのは大橋キャンパス。
芸術工学府、旧・九州芸術工科大学です。

それにしても11ヶ月前、こんな未來は想像だにしませんでした。
人生はほんとうにおもしろいですね。
五十の手習い。
学術論文を書くということに関しては、正直びびっている自分がいます。
殻をうちやぶることができるのだろうか。もっと追い込まなくては、と思っています。

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2016年 9月 26日

『住む。』59号(2016秋)


いま書店に並んでいる『住む。』59号。
連載企画である「家をつくるなら、近くの山の木で 57」(108~119頁)
の取材をお受けしたのは7月の終わり、夏真っ盛りの頃でした。
取材で訪ねた建築工房悠山想(ゆうざんそう)設計施工による甘木の家は、
手刻みの木組み、土壁+しっくい、木製建具の開放的な空間。
写真家Yさんの緊張感みなぎるお仕事ぶりを横目に、
取材のほうは まったりとした雰囲気で経過していきました。
  

なぜ、私は杉にひかれるのか。
“Big Why” を探りに旧小石原村の行者杉の森を訪ねました。
最近は、幼少の頃に思ったこと、感じたことが、
そのときの場面とともに突然フラッシュバックする瞬間があります。
取材の翌月には、行者杉を手植えした行者たちが修行に入った
霊峰「英彦山(ひこさん)」を二度訪問しました。
今回の取材をきっかけに、長年抱いてきた疑問がほぐれてきました。
おかげで今、充実した日々を送っています。
  

『住む。』59号、まずは書店で、ご高覧いただけましたら幸いです。
http://sumu.sakura.ne.jp/numbers/59.shtml
 
ちなみに「住まいのモノサシ」には、「甘木の家」の写真を使った記事が2つあります。
「19 子ども部屋」「20 縁側」です。 

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2016年 9月 24日

高良山杉はうつくしい

カテゴリー: 日々雑感


高良山杉はうつくしい。香りもじつに神々しい。ほれぼれしてしまいます。

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2016年 9月 01日

「伝統木構造の会」シンポジウム(日田市)

9月3日(土)15時より、「伝統木構造の会」のシンポジウムが日田で開催されます。
主催者の呼びかけにより満員御礼に近いそうです。

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2016年 9月 01日

英彦山訪問。スギ文化のルーツを考える。


28日、30日と英彦山を訪ねた。
樹齢1300年といわれる鬼杉と初の対面。
なぜ、日本の山々は杉に覆われるようになったのか。
長年追いかけてきた疑問の答えに迫る手がかりをつかめたと思う。
一道無為心。迷わず進もう。

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2016年 7月 26日

板倉建築の技術をつかって、再生を図る。


「くまもと新町古町復興プロジェクト」の鏑矢となるのか。
敷地内で唯一、形をとどめたこの土蔵を、修理して活用する計画がはじまろうとしている。
柱をはじめ、骨組みの劣化はけっこう進んでいる。
でも、ここに住む住人は、この建物を使いつづけようと決意した。
少しでもお役に立ちたい。
 

JR豊肥線、肥後大津駅前にある土蔵。4間×14間という広さがある。
 

北面の柱は腐朽と蟻害で全て末期的状況。建っているのが不思議なくらいに傾いている。
正直、初見では、残すことに肯定的な感情を持てなかった。
ところが、建物から少し離れたとき、まったく違うものが見えた。
この建て物がなければ、肥後大津駅前の風景は、
日本中どこにでもある新興住宅地とさして変わらないではないか・・
近視眼であったことに気づかされた。
 

肥後大津駅前の風景をただノスタルジックに残すのでなく、そこにあらたな活気を生み出したい。
駅前で「和氣(わき)」という古民家カフェを営む篠塚さんの思いに感動した。
http://ameblo.jp/f-waso/entry-11725581439.html

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2016年 7月 26日

西原村ちいさいおうち内覧会


7月23日、西原村「ちいさいおうち」の内覧会を開催しました。
 

 

お祓いには、英彦山の習わしに則り、西原村を流れる緑川の河口の海水を用いました。
 

「ちいさいおうち」は、屋根裏にも壁にも、あえて断熱材を入れていない。
断熱材を入れなければ、屋根裏は通常、サウナ状態となる。
ところがここは気持ち良い。風がぬけ汗がひいていく。
4畳の空間に5~6人もいるというのにである。
心地よい空間をつくる。それを導くのは断熱材ありきの外皮がすべてではない。
住まい手が選択できる余地を残すことが重要であるし、そもそも自然だと思う。

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