2009年 6月 22日
林業の処方箋?
(月下美人)
昨日は、福岡県黒木町で開催された九州民家塾に行ってきました。
散策中、たまたま咲いていた月下美人にめぐり合いました。
月下美人は、夜に咲き始め翌朝までの一晩でしぼみ、
めしべに他家受粉が起きなければ散ってしまう花とのことで、
こうして見られたのは幸運なことのようです。^^
民家塾の詳細は改めてアップしたいと思います。
さて本日は、先日の記事「真竹の筍を食しながら森の未来を考える。」
にいただいたコメントをそのままアップしたいと思います。
ボリュームといい、内容といい、コメント欄に埋もれさせるのは
もったいないと思ったからです。
この中には、林業や木材に携わる私たちのヒントとなることが詰まっていると感じます。^^
(以下 Dream Writer さんからのコメント)
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筍の炭焼き、おいしそうですね!
混ぜご飯や煮物の筍が大好きですが、筍の天ぷらも好きです。
ほくほくしてて、お菓子みたいだと思います。
林業の状況、初めて知りました。
>つくり出すことのできる唯一の資源である「木材」を活かした方が良いのは明らかだと思います。
確かにそうですね。
木材が活かされる環境になってほしいです。
社会がどんどん高速化しているので、
人々の生活のスピードもどんどん加速していますよね。
「今すぐ!」というのが本当に多い。
どんなことでもすぐに結果を求める傾向が強いと思います。
私にもそういう部分がありますので、神様が息子を派遣して
下さったんだと思っています。(笑)
1本の木を育てるのに、長い時間を要するというのが
頭ではわかっていても、「長い時間」という感覚が実感できない人が
多いような気がします。
鍾乳洞の探検家が、ある鍾乳洞で石筍が何本も切断されているのを見て
号泣したそうですが、どれだけの時間をかけて作られたものなのか
理解できない人、そういう感覚を持ち合わせていない人が
何も考えずに切ったんじゃないかなぁと思っています。
すぐすぐ何か具体的な結果に結びつくわけではないですが、
長い時間を経て作られる・成長するものの価値、
人間の手で短期間でどうこうできないものの価値が
もっと知られるようになればと思いました。
自然の営みというか、木の生育というのは、
生産工程通りに進むわけじゃないし、
工業製品のように原料の配合をこうすれば、こうなる
と、単純な予測ができるものでもない。
そういうものへの畏敬の念や愛着みたいなものを
子どものころから持てるといいなぁと感じています。
私が木が好きなのは、やはり小さい頃の環境だと思っています。
庭に木がたくさんありましたし、なぜかお風呂はヒノキでした。
生活は豊かじゃなかったと思うのですが、両親はこういうところに
お金をかけたかったのかな。
まとまらない長文になってきました(汗)
単純に「木っていいなぁ」「木ってスゴイなぁ」というのを
大勢の人が感じるようになればが、何か変わっていくんじゃないかなと思います。
息子が生まれたときに市から枳殻をプレゼントされました。
実家の庭の隅っこに植えてもらいました。
息子は「こーちゃんの木」と言って、実家に行くと挨拶(?)しています。
自然に恵まれた環境ではないので、日常の小さな機会を利用して、
木や植物に触れさせたいと思っています。
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(抜粋ここまで)
林業の記事を書く度、重たくなったなぁ、といつも反省してしまいます(笑)
それはもちろん林業が苦境に立たされているからですが、でもそれだけでなく、
時間的にも空間的にもスケールが大きく、処方箋が難しいからだとも思います。
「大変なのはわかった。では具体的に、誰に、どんな協力をして欲しいのか。
それを言わずに苦しい現状を理解してほしい、だけでは何も解決しないではないか。」
最近では、そんな声にならない声が聞こえるようにもなってきました(笑)
環境問題の関心が高まる中、こんな協力をしていください、と声高に
具体的なお願いをすれば、それは叶えられるのかもしれない、
とこの頃は思うようになりました。
そのためにも、今回のDream Writerさんのコメントは示唆に溢れていると思います。
「長い時間を経て作られる・成長するものの価値、
人間の手で短期間でどうこうできないものの価値が
もっと知られるようになればと思いました。」
「そういうものへの畏敬の念や愛着みたいなものを
子どものころから持てるといいなぁと感じています。」
「私が木が好きなのは、やはり小さい頃の環境だと思っています。」
「(息子には)日常の小さな機会を利用して、木や植物に触れさせたいと思っています。」
そして極め付けが、
「単純に「木っていいなぁ」「木ってスゴイなぁ」というのを
大勢の人が感じるようになればが、何か変わっていくんじゃないかなと思います。」
やっぱそうですよねっ!!^^
木を欲しがってもらう、木の良さを活かしたモノを使っていただく、
根本的な解決方法はそれしかない、と改めて感じました。
なんとなくアイディアが降ってきそうな予感がします。
Dream Writerさん、温かいコメントに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました!
私は神奈川県の箱根というところで育ちました。
小さな頃から中学卒業まで、年に2回、自然を守ろう!というポスターと作文を書かせられるのです。
観光協会のもくろみがらみだとは思いますが、
子供の頃は、一生懸命書きました。
でも、少し大きくなると気づくのです。
ポスターや作文を書かせるのに、
大人は、森を壊し、マンション建設や道路を作ったり、
ゴミを捨てまくる!!
森の中に素敵な美術館ができると、すぐに大繁盛!!
そこにあったブナの森や、住んでいたリスやイタチはどこに行ったのか
みんな、どうして、そんなこともわからないの???
私がちょっといろいろあきらめているのはこんな記憶からだと思います。
でも、
杉岡さんは、あきらめないで、これからはじめようとなさっている!!
愚痴らず腐らず、あきらめないで、
私もビッグウェーブの一員になりたいです。
月下美人・・・。
はかなく、そして美しい・・・。
月下美人に人が感銘を受けるのは、
「チャンスは1度だけ。そして命が有限であることを教えてくれるから」
・・・なのだと私は思います。
このような形で月下美人に出会えたのも何かの幸運かもしれません。
杉岡さんに感謝ですね。(*´ー`*)(^^(笑)
ドモ∩(・∀・*∩))((∩*・∀・)∩ ドモです。
ショコリンさん
いつもコメントありがとうございます♪
>(自然を守ろう!という)ポスターや作文を書かせるのに、
>大人は、森を壊し、マンション建設や道路を作ったり、
>ゴミを捨てまくる!!
本当にその通りですね。
その反動かもしれませんね。
人が手を入れない方が自然にとって良いのだ、
という認識の方が多いのは。。。
かく言う私も20年くらい前の学生時代、
美しが丘という地名の新興住宅街を見て、
山をぶっ壊して平地にし、そこに自生した植物は廃棄。
さらに、園芸屋さんから買ってきた樹木をパラパラと道脇に植え、
美しが丘、だと。なんじゃこりゃ?!
と思ったことがあります。
(美しが丘という地名にお住まいの皆様には申し訳ないのですが・・・)
同時に、本当の美しが丘を作ってみたいな・・・
と思いを馳せたことも蘇りました。^^
>愚痴らず腐らず、あきらめないで、
>私もビッグウェーブの一員になりたいです。
心強いです。
ぜひお力を貸して下さい。
ありがとうございます!^^
取次さま
いつもコメントありがとうございます。^^
チャンスは一度だけ。
この一回にすべてをかけなさい。
というメッセージだったのかもしれませんね。
集中したいと思います。
感謝します。^^
取り上げてくださってありがとうございます。
うれしいです♪
以前、花粉症に効く杉のエキス(?)の製造工程が
こちらのブログで紹介されていた時、
木製の器が使われていましたよね。
すごくいいなーと思いました。
ウチの台所用品はプラスチックはさほど多くないですが
木製のものが少ないんですよ。
今、ものすごくたくさんの種類の飲み物がありますが、
水を選ぶ人って少なくないと思います。
ほかの選択肢があっても、なんとなく「水なんだよね」
今、身体がほしがってるのは「水だよね」
って、感覚で選んでいる感じがします。
それと同じように、
プラスチック製のものがあっても「やっぱり木の方が好き」
私の手になじむのは「木製なんだなぁ」
と、多くの人が感じるようになるといいですよねー
夫の実家に桐の箪笥があります。
私が結婚した当初からいつも通される部屋に置いてあって
最初は年代物だなぁと思いましたが、いつの間にか部屋の景色に
溶け込んでいました。
ある日、この桐の箪笥が大変身していたのです!
表面を削って、取っ手や縁の金属を全部取り換えたのでした。
すごくびっくりしました。
まるっきり新品みたいじゃないですか!!
でも、このリフォーム費用で、
そこそこの値段のタンスは買えると思います。
古いものに手をかけて使い続けるか、新しいものを買うか?
という選択の時、今の世の中だったら、たいていの人は後者を選ぶでしょう。
モノに愛着を感じて、修理しながら大切にして長い間使うというのも
一昔前(ふた昔前?)の日本なら当たり前だったと思います。
しかし、大量生産大量消費の時代に、
手軽なものを使い捨てるようになり、
流行がどんどん変わるようになり、
流行り廃りのサイクルがどんどん短くなりました。
「いいものを大切にして長く使う」という感覚も、
木の良さとか、自然界からの贈り物の価値を知る上でも
大事なんじゃないかなと思います。
Dream Writer さま
今回も心のこもったメッセージありがとうございます♪
>プラスチック製のものがあっても「やっぱり木の方が好き」
>私の手になじむのは「木製なんだなぁ」
>と、多くの人が感じるようになるといいですよねー
仰るとおりですね。^^
昨年子供たちに無垢の木製三段ベッドを買いました。
干せるように、桐のスノコの上に敷蒲団を敷いて使っていました。
ところがこの春、スノコと布団の間にカビが発生しました。
桐の無垢材でできたスノコですし、風通しも良いのでどうしたものか・・・
と悩みましたが、思い切って40ミリの杉の床板をピッチリと
敷きつめてみたところ、この時期でもカビが生えていません。
しかも部屋に入っただけで、まだ木の香りがほんのりと・・・^^
いろいろと工夫する余地はあるのだな、と思いました。
それから、
木でイケるものはできだけ木製にしよう、と意識すると
使えるものは結構たくさんあることに気づきます。
キッチンだと桶、枡、ワッパ。風呂では桶や腰掛け。
今履いているのは杉の雪駄ですし、
傍らには屋久杉チップの入った扇子や、
芳香剤に樹齢千年の台湾檜チップがあります。
現在使っている机や本棚はすべて杉の手作りです。
自分がユーザーとして、どんな工夫をしているのか
具体的に紹介していくのも面白いかもしれませんね。
いつも発見的なメッセージ、ありがとうございます!
やっぱり板倉しかないでしょ^^ここは!
だって全部隠し事ない、木ですもの。
これほど木が使われるものって他にあります?
道具もいいですが、家全部に木を。
あの中に入ったら、木のよさが伝わると思うんですがね~~
Dream Writerさん
素敵な文章ありがとうございました。
何だか元気が出ますね。。
ゆきむらさん、
仰るとおり!^^
もっとも理想的は板倉ですね。
建築史的に読んでいくとすれば、
今の森林の姿を投影させるとしたら
まさに「杉の板倉」となるのではないでしょうか。^^
木の良さを伝える為、学校建築で用いられれば
たくさんの人が体験でき効果的だと思います。
ただ、どれだけ裾野を広げられるか、というのが課題でしょう。
木造建築は防火地域などでは建てにくいので、
人口の多い都市部でのコンセンサスを得にくい、
というジレンマが付いてまわります。
いろいろ小難しくなってきましたが、要は、
たくさんの人がみんな、
ゆきむらさんみたくなればいいんですよ。^^
どないしましょ?^^
PS
Dream Writerさんへのお声かけ、ありがとうごいざました♪
こんばんは。
学校建築!いいですねえ、子供らを通わせたい!!!
確かに都市部はそういう法律にしばられますが
小さいところからはじめられたらいいなあと思います。
まずは外堀から^^
徐々に外から埋めていけば
いずれ中でもバカにできなくなるでしょ。
要は良さが伝わればOKですから^^
いやあ、学校で板倉。楽しそうーーー。
ゆきむらさんへ、
ポジティブなご意見嬉しいです。
ありがとうございます。
>小さいところからはじめられたらいいなあと思います。
>まずは外堀から^^
仰るとおりですね。
板倉の伝統構法は理想的だけど、
たとえそうでなくとも、既存の学校の内装に
杉やヒノキを使うだけでも変わってくると思います。
例えば、インフルエンザでの学級閉鎖率では
木造校舎2.1%で、鉄筋コンクリート校舎は7.1%と
木造の方がよい結果が出ています。
ほかにもいろいろな良さがたくさんありますので、
改めて記事を書こうと思いました。
ちなみに、安藤先生が設計に携われた板倉の校舎に
秋田県の横手市立栄小学校ということろがあるようですよ。
http://www.h2.dion.ne.jp/~go-y/a6-wschool-sakae11.htm
ああそうか、ゆきむらさんのHPでご紹介されている
「住まいを四寸角で考える」(安藤邦廣著)にも掲載されていますよね。^^