2010年 3月 11日
景色のよい戸袋
先日、東京へ行った際に、根津美術館を訪ねました。
この建物は建築家・隈研吾氏の設計で、2010年毎日芸術賞を受賞しています。
今日は、その敷地内の庭園にある、
弘仁亭・無事庵(こうにんてい・ぶじあん)という茶室の杉づかいを
記録に残しておこうと思います。
無事庵の腰掛待合(こしかけまちあい)。
屋根は、杉皮の平葺き。
弘仁亭で面白いと思ったのが、戸袋のバリエーション。
1つ目は、杉の、刃物を使わず裂いた「ヘギ板」を網代(あじろ)に編んだ物。
2つ目がこちら。同じ杉の網代と思いましたが、テクスチャが違う。
それで近づいてみると…
なんと!杉皮が裏返して使ってありました。
そして3つ目がこちら。杉の平皮の表面をそのまま使用していますが、
外壁には杉平皮が横張りされているのに対し、戸袋は縦張り。
張り方の違いで、表情に変化を加えていました。
こんな杉皮の使い方、茶室などでない限り、なかなか見られません。楽しいものです。
番外編ですが、軒裏の素材がまた面白い。
こちらは、細い竹を並べています。
九州の古民家の天井などにはポピュラーな竹天井ですが、
このように軒裏に使用されているのは珍しいのではないでしょうか。
そしてもう一つの面白い軒天井がこちら↓。
木の種類はわかりませんが、ともかく細い柴が敷き詰められていました。
「おじいさんは山へ柴刈りに…」(笑)
番外編その2.
小さな高瀬船の上にも、土壁と杉皮葺き屋根の茶室が…
私はお茶の世界をまったく知りませんが、素材をのびやかに使い楽しんだ
茶人の遊び心に素直に感心してしまいました。
東京にいらしてたんですか~!(^-^)
根津美術館、近いので行きたいと思いつつ、
行ったことがなかったです・・
建物自体、とてもアートですね。
杉の皮や枝など、さまざまな工夫がされて使われていて
とても趣がありますね~。
小さな船の上の茶室!!発想が面白いですね!
見ていてこちらも楽しくなります♪
素敵な写真ばかりですねー
やはり見る人が見れば、美しいもの・風雅なものは
いくらでも見つかるんですね。
それにしても和の建築は、やっぱりいいです・・・
戸袋というと、改築前の実家を思い出します。
何の変哲もない木製の戸袋でしたが、
時々こうもりが入っていました・・・
ゆみさん、
>東京にいらしてたんですか~!(^-^)
けっこう直前に決めた日程なんです。
編集学校の修了式などもありまして。^^
>根津美術館、近いので行きたいと思いつつ、
近いのであればぜひ。^^
館内の展示物もすばらしいし、
庭園も楽しめますよ~
Dream Writer さま
>それにしても和の建築は、やっぱりいいです・・・
そんな感覚が大勢を占めるといいけどなぁ・・(笑)
でも光明も・・
子どもたちのなかで流行っていた
トモダチコレクションというゲームがありまして、
たまごっちの人間版みたいなものですが、
部屋をグレードアップするページでダントツ高いのは
なんと畳と障子の和室なんですよ。
これには驚かされました。
>時々こうもりが入っていました・・・
私もちょくちょく遭遇します(笑)
それに今の時期は、戸袋の中に、
小鳥が巣づくりしようとするんですよね。
毎日出し入れしてない戸袋は要注意です。^^