2016年 3月 08日
高良山杉を製材
今日は、高良山杉(こうらさんすぎ)を製材しました。
推定樹齢281年。伐採が12年前らしいので、享保8年くらいまで遡れます。
芯の年輪が密であり、実生で芽生えたものだと思われます。
高良山杉は、高良山三井寺の第五十一代座主、寂源(じゃくげん)僧正が、
英彦山より杉苗を取り寄せ植えたのが始まり。
おそらく寛文年間あたりの事業ではないでしょうか。
今日、挽いた木は、それより樹齢が4~50年若いので、
残念ながら「寂源杉」ではありませんでしたが、
それでも素晴らしい木で、感動しながら製材を終えました。
なお、熊本県の小国杉の代表的品種「ヤクノシマ」は、
この高良山杉がルーツと考察されています。
以下、『九州のスギとヒノキ』宮島寛より
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石橋(1957)によれば、熊本県阿蘇郡小国地方では藩政時代末期(1860年代)に
屋久島、吉野(奈良県)、高良山(福岡県)の3地方からスギ(苗?)を移植した
という記録があるが、「この地方は、高冷地であることから吉野や屋久島などの
暖地系スギは幼苗が困難で、雪害、病菌害などのために繁殖が意の如くならず、
終に中絶したものと思われる」としている。一方、高良山地方のスギ
(コウラスギ≒アヤスギ)は、さし木の発根性がすぐれているため、
この系統(アヤスギ)が小国地方で急速に殖えていったものであろうといわれている。
またこの地方でアヤスギのことをヤクノシマと呼んでいるのは、
久留米(福岡県)の高良山地方から移入されたアヤスギ(コウラスギ)が
屋久島のスギ(ヤクスギ=ヤクノシマ)と誤り伝えられたものではないかと考えられる。
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