2009年 9月 02日

正倉院を身体で感じる。

カテゴリー 木造建築の味覚

ついに政権交代。大きく変わる為の一歩を踏み出しました。
日本にとってそんな重要であった8月30日、私は早々と投票を済まし、社員旅行で
cimg5983.JPG
ここ↑を訪ねておりました。 そう、ご存知の正倉院!^^
それではここで質問です。
教科書などで見たことがあるはずのこの建物、一体どれくらいの大きさかご存知ですか?
この写真からご想像ください。
cimg6022.JPG
私の身長が174㎝ですから、とてつもない大きさだということがお分かり頂けると思います。
お断りしておきますが、写真のように正倉院の真下に入ることはまず不可能です。
それではなぜこんなことができたのでしょう?
・・・それはここが「西の正倉院」だからです。
 
西の正倉院って何?って思った方、けっこう多いのではないでしょうか。
私もつい最近(昨年奈良の正倉院に行った直後)、師匠に教えていただき知ったのですが、
じつはここ、奈良ではありません(笑) 九州は宮崎県、美郷町(旧南郷村)なのです。
平成8年、奈良の正倉院を寸分違わず復元されたのが、この「西の正倉院」でした。
建築にあたっては、瓦の数から木材の寸法、内部に至るまで忠実に復元されています。

(昨年11月、奈良の正倉院に行ったときの記事↓)
https://sugiokatoshikuni.com/?p=35
どのような経緯でこの復元が実現したのか、詳しくは↓こちらをご覧くださいませ。
http://www.town.miyazaki-misato.lg.jp/315.htm
http://www.pmiyazaki.com/nangou_ku/syousyouin/
 
cimg5992.JPG
復元建物とはいえ実際に目にした時、またもや笑ってしまいました。
想像をはるかに超えたものに遭遇し、
声にならない「オオ~」の後こみ上げる笑いとでも申しましょうか・・・(笑)
国宝の建物を見たときと同じような、浄化(purify)された
清々しいオーラに、建物全体が包まれていていて・・・
本当に素直に、感動してしまいました。
樹齢400~500年の木曽の天然檜を2,000本使用し、
造営にあたっては、伊勢神宮の遷宮さながらの様々な神事を重ねられたことなどが、
そのような雰囲気を醸し出すことに繋がっているのかもしれません。
ともかくここは本物。復元物といった陳腐さは皆無でした。
 
cimg5995.JPG
内部は↑↓このように展示室となっています。
cimg6004.JPG
  
足元の束柱と礎石との接合部をご覧ください。
石の形通りに木が削られています。これを光つけといいます。
cimg6020.JPG
この束柱の直径は2尺(約60センチ)あります。
高さは2.5m。縦4本×流れ10本の計40本で上部の板倉を支えています。
一本のお値段は400万円と伺いましたので、
下世話ながら計算すると、この束柱だけでなんと1億6千万!@o@
復元工事全体の予算が16億3千3百万ということでしたから、
なんとその10分の1が、この40本に充てられたということになりますね。
驚きです。
 
cimg6031.JPG
となりにある神門(みかど)神社の御神木の2本の杉の間に見える正倉院。
不思議な光景でした。。。
正倉院は総檜造ですが、杉の文化研究所ということでご愛嬌(笑)

コメント(13)

コメント(13) “正倉院を身体で感じる。”

  1. 落合邦子@フラワープロデューサーon 2009年9月02日 at 20:38:01

    正倉院って、とっても大きいのですね!

    いろいろとお勉強になります。

    それにしても、木の文化って、いいですね。

  2. adminon 2009年9月03日 at 17:46:36

    落合さん、
    いつもありがとうございます♪
    あのスケール感は、実際に肌で感じてみることをお勧めします。
    想像をはるかに超えていて、私の場合は笑いしか出てきませんでした。^^
    話は変わりますが、今週末、kemiさん、龍太郎さんとお会いしますよ~(笑)

  3. Dream Writeron 2009年9月03日 at 22:34:10

    すばらしい写真ですね!

    >ともかくここは本物。復元物といった陳腐さは皆無でした。

    本文を拝見して、ホントに本物だなぁと思いました。

    「奈良の正倉院を寸分違わず復元された」というのが正しい表現でしょうが、
    奈良の正倉院を3D設計図(?)として、建立したって感じなんでしょうね。

    行って見たい場所がまた増えました~^^

  4. 深山聡子on 2009年9月04日 at 8:41:54

    なんとも贅沢な建物ですね。^^

    経緯をみると、バブルのころに計画され、10年のがかりで完成されたようですね~。

    係わる方々の深いこだわりと技術が感じられます。
    まさしく本物!

    行ってみたいです。^^

  5. 『応援力』取次学on 2009年9月04日 at 12:34:13

    え~!!
    ちょうびっくりしましたΣw(゚д゚* )w

    写真だけだと、そんなに大きさは分からないけど、比較するとすごいですね。
    このような本物に触れる体験を今後はしていきたいです。。

    貴重な写真ありがとうございます。。大変勉強になりました。

  6. adminon 2009年9月04日 at 18:23:50

    Dream Writer さま

    いつもありがとうございます♪

    >行って見たい場所がまた増えました~^^

    嬉しいです~^^
    高千穂(天岩戸)や幣立神宮などと合わせ
    コースを組み立てると素晴らしいと思いますよ!^^

    >奈良の正倉院を3D設計図(?)として、建立したって感じなんでしょうね。

    正倉院の正倉院原図を手に入れるのがとても困難だったとか。
    奈良東大寺大仏殿の台座から出土した銅鏡と同一品である「唐花六花鏡」が
    新門神社に保管されていたことにより、宮内庁の協力得ることができたのだそうですよ。

  7. adminon 2009年9月04日 at 18:25:49

    深山さま

    いつもありがとうございます♪
    ちほこさんのレスにも書きましたが、
    高千穂(天岩戸)&幣立神宮&西の正倉院、
    これでパワーチャージはバッチリですよ!^^

  8. adminon 2009年9月04日 at 18:29:00

    取次さま

    いつもありがとうございます♪

    >え~!!
    >ちょうびっくりしましたΣw(゚д゚* )w

    こちらのほうこそ、ちょううれしい反応!^^
    ありがとうございます。

    >写真だけだと、そんなに大きさは分からないけど、比較するとすごいですね。

    でしょでしょ!
    本物に触れる体験は、ホントに最高です。^^

  9. ショコリンon 2009年9月15日 at 22:30:08

    人間のつくったものの中にいると、大きさの観念が人間サイズになってしまいますね。

    昔の人は、自然の中にいたからでしょうか、神話や民話ってスケールがおっきい!!

    スケールの大きな人間になるには、大きなものを見るべし!!
    自然の中に行ってみるべし!!
    かな。

    光つけ。
    すごい技術です。
    ネーミングも素敵!

  10. ゆきむらon 2009年9月16日 at 0:48:36

    こんばんは。

    先日この記事を読み、
    生で見たいという衝動にかられ
    車で4時間かけ、今日行ってきました!

    9月7日に板倉をされる建築士の永井さんの
    構造見学会に行ったばっかりだったので
    そのときに見た板倉をもう一度体感できる!と
    思い、非常に遠かったですが、
    がんばって山越えしてきました。。

    杉岡さんの写真に驚いた。
    教科書で見た正倉院の印象は小さいと思い込んでいたので
    その大きさを写真で見て驚き、そして現場で生を見て
    また驚きました。

    贅沢にヒノキを使った内部は
    もう築13年?というのに香りがプンプンして
    びっくりです。
    そして同時にわかったことは杉の香りのほうがもしかしたら
    個人的には好きかもしれないということでした。

    板倉もこれだけ厚い材が使えたらと常々思っていたので
    思わずスリッパも脱いで素足で感触を確かめてしまいました^^
    杉で10センチの厚さだったらもっとやわらかかっただろうか?
    内部はエアコンが入っていたのだろうか?
    涼しく感じたなあ。
    夏場に来てみたかった。
    こんな中で生活したら、きっと毎日
    元気があふれるだろうななどと
    高望みだけど思いました。。

    結局気持ちよくて1時間以上入り浸って
    体感してまいりました!
    到着時は頭痛がしていましたが、
    出る頃にはひいてました^^

    いい情報ありがとうございました!!!

    追伸
    山の残りの部分の下草狩りも先日行って
    無事終わりました。

  11. naturalon 2009年9月16日 at 5:35:45

    タスマニアンハニーの高橋です。
    すご~い、の一言ですね。
    樹齢4~500年の檜2000本。
    美しい校倉と板倉。
    この日本の伝統建築は日本人の誇りですね。

    正倉院、この写真を見るまで、すっかりその外観を忘れていましたが、
    この外観、今計画中の新居、そっくりです!
    残念ながら、板倉もあきらめたし、校倉でもありませんし、
    屋根も瓦ではないのですが・・・。

    ↑のゆきむらさん、という方はフットワークが軽い!
    実際見に行かれたのですね。
    東の正倉院はないのでしょうか?関東近辺にあれば私も明日にでも見に行きたいです。

  12. adminon 2009年9月17日 at 8:49:52

    ショコリン☆

    >人間のつくったものの中にいると、大きさの観念が人間サイズになってしまいますね。

    ホントにそうですね。取次さんのメルマがのノミの話を思い出しました。
    ノミは3mジャンプすることができるのに、
    コップの中に入れているとその高さしか飛ぶことができないようになる・・・

    >スケールの大きな人間になるには、大きなものを見るべし!!
    >自然の中に行ってみるべし!!
    >かな。

    異議なし!
    野性派育児が求められていますよ。^^

  13. adminon 2009年9月17日 at 8:56:42

    natural さま

    >正倉院、この写真を見るまで、すっかりその外観を忘れていましたが、
    >この外観、今計画中の新居、そっくりです!

    嬉しいですね~
    木倉が美しい、という感性を共有できるのは。^^
    完成したらぜひ訪問させて下さいね!

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